グラボ熱すぎん??
2021年6月、グラボが品薄でなかなか入手できないタイミングで、我慢できずに発売日当日に申し込みして購入したRTX3080 Ti。購入時のお値段239800円也。当時ハマっていたARKを4Kモニタでそこそこ快適にプレイしたいがために購入しました。
今考えるとめちゃ割高な時期に買ったのですが、4000番台が出て価格が(ある程度は)こなれてきた2024年現在でも4Kでゲームをそこそこ余裕の性能でプレイできています。が、
すげーアチアチなんですよこのグラボ。
インターネッツ上ではグラボ温度が70度を超えるとだいぶ危なくなりますみたいな記事が出てきますが、それは昔の話です。
RTX3080Ti君は、4Kゲーミングするとケース内エアフローを強めにしてるのに余裕で90度手前ぐらいまで温度が上がります😇
PCから吐き出される排熱がもはやドライヤーなんですよね😇
そりゃグラボ単体で350W以上の消費電力なので、そりゃそうなりますよね😇
これはなんとかせねばと、なるべくお金をかけずに頑張ってみました。グラボを水冷化すれば一瞬で冷えるのはわかってるんですよ。でもそんなお金はない🥺
おことわり
- 自作PC界隈の鉄の掟ですが、本記事の内容は完全に自己責任で行なってください。
- 不用意な操作で漏電やショート、パーツ破損を引き起こす可能性があります。
- 静音性という概念は本記事内に存在しません。
- ATXマザーの入るミドルタワーケースでの利用例です。
- ケースファンのコントロールについては一切変更しませんが、もともと騒音ガバガバ設定で静音性度外視であることをご了承ください。
- グラボの高温対応策としての意図的なダウンクロックや低電圧化は実施しません。漢なら力isパワーや!!!性能出してナンボや!!!!!
環境について
ケース | CoolerMaster MasterBox CM694TG |
ケースファン前面 | SCYTHE / KAZE FLEX 140 x 2@ファンコン制御 |
ケースファン背面 | SCYTHE / KAZE FLEX120 A-RGB PWM@1800回転固定 |
ケースファン天面 | DeepCool Castle280EX付属のつよつよ14cmファンx2@ファンコン制御 |
GPU | ZOTAC RTX3080 Ti AMP holo(OCモデル) |
ケース天面は水冷CPUクーラーのラジエーター冷却用ファンですが、ケースのエアフロー的には排気ファン扱いです。
とりあえずの結論
最強(室温が20度以上かつゲーム時)
- グラボのバックプレートにヒートシンクを載せる
- PCケースのサイドパネルを外す
- エアコンをつけて室温20度ぐらいにする
- 家庭用サーキュレーターを強風モードにして横から風を当てる
→全部実装してグラボ温度はだいたい20度くらい下がるが他のパーツも全部冷える。
準最強(室温が20度未満かつゲーム時)
- バックプレートにヒートシンクを載せる(-5度)
- ↑のヒートシンクに直接ファンの風を当てる(-5度)
- ケース底面に8cmファンを設置し、風の方向をやや側面パネル側に向けて上向きに調整する(-3度)
→全部実装してグラボ温度はだいたい17度くらい下がるがほぼグラボだけに限定。
実際にどれくらい熱くなるのか
グラボ負荷によって変わるという事にはなるのですが、厳密にはゲームタイトルや用途によって変わったりします。一概には言えないのですが、体感では以下の順番で温度が高くなります。
グラボ温度は、室温25度の時の概ねの参考値です。
↑高い
①GPUコアとVRAMをモリモリ使うゲーム(85度前後)
②GPUコアはあまり使わないけどVRAMをモリモリ使うゲーム(80度)
③GPUコアをモリモリ使うけどVRAMはそこまで使わないゲーム(70度)
④GPUコアとVRAMをそこまで使わないゲーム(65度)
⑤その他アイドル時など(30度)
↓低い
①の例:ARK@4K高画質設定、7days to die@4K高画質、マイクラ@4K鬼高画質設定
②の例:ARK@4K中画質設定、7days to die@FHD高画質、マイクラ@4K高画質設定
③の例:ARK@FHD高画質設定、7days to die@FHD低画質、マイクラ@4K中画質設定
④の例:モンハンライズ@4K高画質(DLSS有効)、マイクラ@FHD高画質設定
モンハンライズはなぜかグラボ負荷が意外と低くて動作が軽いんですよね。
対策1:ヒートシンクをバックプレートに載せる
アルティメット原始的な方法ですが、実はこれが一番お手軽で効果が高いんじゃないかと思っています。
Amazonで売っている適当な中華ヒートシンク+その辺に転がっていた小さなヒートシンクをバックプレートに載せてみました。
※小さなヒートシンク有無による効果の差異はほぼありませんので、小さなヒートシンクは気分的な装備です。
購入する前には実際にグラボとPCケース内の空間を測って確認する必要がありますが、私は200x69x36mmのサイズを購入しました。
ちょうどグラボのバックプレートを8割くらいカバーできて、水冷ヘッドのホースとギリギリ干渉しない高さでした。実際に使用する環境次第で使えるヒートシンクのサイズは変わりますので、しっかり計測することをお勧めします。
なお、RTX3080 Tiの場合はグラボ本体の大きさ的に長さ300mmのヒートシンクがジャストフィットなのですが、バックプレートの形状とケースの関係で300mmだとデカすぎる場合があります。
私が使用しているPCケース「CoolerMaster CM694 TG」の場合、300mmのヒートシンクを載せるとフロントパネルのUSBケーブルと干渉してしまうので、以下の200mmのものをAmazonで購入しました。
また、バックプレートとヒートシンクの間には同じくAmazonで売っているサーマルパッド(1mm厚くらい)を敷いています。一応熱伝導率の性能の違いで高いものも売られていますが正直誤差レベルなので、以下商品のような500円ぐらいの奴で十分です。私もこれ使ってます。
注意
この方法は空冷CPUクーラーだと実現が厳しい可能性があります。水冷クーラーならほぼ問題ないと思いますが、空冷CPUクーラーの場合はCPUクーラーのヒートシンクと干渉する可能性が高いためです。
設置後の効果
実際にこれでゲームを起動してみるとヒートシンク全体がほんのりと熱くなります。ヒートシンクの根本を触るとかなり熱くなっていますので、つまりグラボから熱を吸い出せているということになります。そしてヒートシンクのギザギザの先端部分を触るといい感じにぬるくなっていますので、バックプレートから吸い出した熱をうまく空気中に発散できているということになります。これはすごい!!
と思いきや、グラボ本体の温度の低下を見てみると概ね5度ぐらいの低下におさまりました。元々85度だったのが80度、といったイメージです。
対策2:対策1のヒートシンクに12cmファンの風を直接ぶつける
AINEXから出ているフレキシブルケーブルを用いて、対策1のヒートシンクに直接12cmファンの風をぶち当てたらどうなるのか試してみました。12cmファンは家に転がってた奴です。風量はそこまで強くないスリムファンです。
効果
対策1と合わせて10度くらい下がりました。85度だった温度が75度ぐらいになりました。やはりヒートシンクは風を当ててナンボですね。
対策3:ケース底面に80mmファンを追加
もうちょっと温度を下げたいなぁと思った時にふとPCケースの側面ガラスパネルを触ったところ、グラボ付近がすごく熱くなっていることが判明しました。どうやらグラボ自体のファンで吹きつけた風がグラボの基盤にぶつかり、その廃熱として側面ガラスパネル方向に流れていることがわかりました。そしてグラボと側面ガラスパネルの間の空気はなかなか循環しづらいのか、結構滞留し続けている感じがありました。もしかしてバックプレート上のヒートシンクがその熱で温まってしまって、本来の排熱効果が得られていないのでは?と考えました。
そこで、こんな感じでケツを持ち上げる形で80mmファンを設置し、底面から天面に向かって強制的にファンで風を送ってあげる戦法をとってみました。ケツの持ち上げには適当に切ったスポンジを貼っています。もう少し大きなファンを載せたいところでしたが、サウンドカードやグラボの電源ケーブルと干渉してしまうのでやむなく80mmファンを選択しています。
購入したのはX-FAN 80mmファン RDL8015Sという商品で、2000回転で20CFM程度のファンです。3pin無制御なので常に全開で回ります。とはいえ、他のファンの方がうるさいので全く気にならないですがね。
効果
これが地味に有用で、さらにグラボ温度が3度ぐらい下がりました。最大負荷時の4Kゲーム中のグラボ温度が72度になりました。
対策4:掟破りのサーキュレーター冷却
実は対策3まで実施した状態で満足してしまい4ヶ月ぐらい通常運用していました。特に問題なかったのですっかり忘れていました。
が、対策を施していたのは昨年の冬だったので、春になって室温が高くなってくると当然グラボの温度も高くなってくるわけで。。。
そんな状態で、最近になって新規ゲームタイトルとしてパルワールドを4K最高画質でしばいたりする作業を始めました。パルワールドはDLSSが使えるものの、そこそこ高画質でプレイするとグラボをしばき倒すゲームなので冷却に不安が出てきてしまいました。
実際に対策1~3を施した状態ですらパルワールドのプレイ中はグラボ温度が75度を超えていますので、かなり重い負荷がかかっているようです。
※パルワールドプレイ中はパソコンの排熱で室温が27度ぐらいになります。そして室温に応じてグラボの温度も上がります。永久機関!!
とはいえこれ以上冷却対策をするのはめんどくさいというか、エアコンつけたほうが早いという事実があります。でもエアコンは極力我慢したいので、、、、
EXTREME HYPER COOLER
そうだ、サーキュレーターで強制冷却すればええんや。これが力isパワーのストロングスタイルです。
効果
実はグラボ単体の温度自体はほぼ変わりませんが、グラボ側的に冷却十分と判断されるからなのかクロック数は同一だけどグラボ自体のファンの回転数が落ちるという状況になり、かつ他のPCパーツの排熱もまとめて処理されてSSDやCPUの温度がものすごく下がっています。CPUもSSDも5度くらい下がってます。しゅごい!!!
他のPCパーツのことを考えると、サーキュレーターを突っ込むのが最適解な気がします。
騒音は気にしないものとします。
ちなみにこのサーキュレーターは父親の形見の品です。他界する直前に近所のドラッグストアで3000円ぐらいで買っていました。形見の品をこんな用途で使ってすまんな🖐️
対策5:エアコンで室温を下げる
すごく当たり前の話なのですが、そもそも室温が20度の時と30度の時とでグラボの温度も順当に変わります。ということは単純にエアコンで室温を下げればいいだけ、という身も蓋もない結論。
効果
概ね室温が下がった分だけグラボの温度も下がります。室温が10度下がったらグラボも10度下がるとまではいきませんが、ある程度は下がります。
対策①〜③を室温20度ならグラボ高負荷で72度、室温25度なら75度。
ただし、どちらかというと人間の方が室温に耐えられないので、室温が30度近くになったら強制的にエアコン冷却が発動します。
結果まとめ
対策 | 概要 | 効果 | グラボ温度(高負荷) |
無対策 | 標準の状態 | ー | 85度 |
対策1 | バックプレートにヒートシンク | -5度 | 80度 |
対策2 | 対策1用のファンを追加 | -5度 | 75度 |
対策3 | ケース底面に80mmファンを追加 | -3度 | 72度 |
番外 (対策4) |
サーキュレーター冷却 | ±0度 | 72度※ |
※対策4はグラボの温度は変化無しだけど、CPUとSSDの温度が劇的に下がりました
これから検証しようとしている対策
PCの排熱を部屋の外に直接放出したらどうなるのか、ということを実施しようと考えています。というのも、室温25度でゲームをプレイしているとグラボやらの排熱のせいで1時間で室温が30度近くまで上がってしまいます。
PCの排熱をダクトで延長して外に放出するか別の部屋に放出など色々作戦を練っている最中です。効果検証できたらまた記事にしようと思います。
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